早朝の4時過ぎごろ、遠くの話し声が聞こえる。
ちょうど僕の眠りが浅くなったので、聴こえてきたのだ。
新聞配達員が、新しいスタッフを連れて道順でも教えているのか?
そのような事を思いながら、また眠り始めた。
暫く経つと、ブンブンと草刈り機のような小型エンジン音が聞こえてきた。
ああ、そうか・・・
数日前から、ラジコンのヘリコプターで農薬を散布するとの広報があったな。
毎年の事なので珍しさはないが、ちょっと様子を見ていた。
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少し前までは、ラジコンではなくて普通のヘリコプターで散布していた。
これはもう爆音で、眠りが深くても目覚める。
しかも風圧が強いので、水田の近くにある家は農薬を被る事になる。
ある時など、朝になって仕事に出掛けようと玄関を出たら車にビニールが被せてあった。
農薬が車に着かないようにと、農薬散布スタッフが行ったらしい。
このビニールカバーはあらかじめ配布されていたのだが、僕は農薬散布日を忘れていた。
それで僕は、車にビニールカバーをしていなかったのである。
もともと僕は車に無頓着なので、農薬のシミが出来ても気にならないから。
人によってはとても気にするらしいので、たいへんだなぁ。
指紋が付いただけで嫌がる人もいるし、まして塗装を傷める農薬が付こうものなら!
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そうそう、今の農薬はどうだか分からないが昔は人体にかなり悪かったようだ。
農薬散布直後の水田に様子を見に行った人が、中毒になって亡くなったと聞いた。
田舎なので、大変な騒ぎになった記憶がある。
亡くなった人は心臓を患っていて、体力が無かったのだろうと噂が広まっていた。
ところで、僕もその事故の数年後に農薬の直撃を受けた事がある。
隣街の池で釣りをしている時に、ヘリコプターからの農薬が全身に降りかかった。
自分の在所の農薬散布予定日なら分かるが、よその町の予定は分からなかった。
おかげで、すっかり農薬を被ってしまいビショビショになってしまった。
文句を言ってやろうと思ったが、ヘリの発着地が分からないので・・・
そのような事より、早く衣服を脱がなければならないし。
幸い朝露を防ぐために撥水のウインドブレーカーを着ていたので、全身が濡れる事はなかった。
それでも顔や手は農薬で濡れたので、すぐに池の水で洗ったと思う。
まぁ、なにしろ酷い目にあったのだ。
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いろいろ問題の多い農薬散布だが、近年ではオモチャのようなラジコンヘリコプターを使う事も多いようだ。
ラジコンヘリコプターなら高度も低いし、風圧で飛散する範囲が狭くなり多少はマシだろう。
だがラジコンと言っても、安心はできないのだ。
去年あたりか、自分の操縦するラジコンヘリコプターが頭に当たって亡くなったとか。
操縦技術も難しいだろうが、僕はそれより何らかの妨害を恐れている。
ラジコンは電波の遠隔操作であろうから、乗っ取り行為があるかもしれない。
あるいは高出力の無線電波の影響とか・・・
あああ、こんな事を書いていたらスッカリ目が覚めてしまったよ!!