だいぶ古い話になる、それでも25年を遡らないが。
もうソロバンは忘れ去られた時代で、電卓が一般的に使われていた。
もう少し前であれば、ソロバンと電卓を併用して検算をしている姿も見られた。
いったい、この検算は何を確かめていたのか?
たぶん、ソロバンではなく電卓が正しいかを確かめていたと思っている。
なんとなく、今となっては可笑しな話である。
しかし、それだけソロバンの信頼が高かったのだろうと・・・
僕はソロバンが苦手であった。
それは、ソロバンの習い始めが原因だと断言できる。
普通の小学生ならば、一桁の加減算は暗算で出来てしまう。
それがソロバンを覚えられなかった、一番の理由であった。
ソロバン玉を繰り上げる操作の原理に慣れず、暗算で玉を動かしていたのだ。
まぁ、これ以上はソロバン経験の無い人には分からないだろうから省く。
さて、電卓の話であるが。
当時の電卓も、今の電卓も操作手順は変わらない。
ごく普通に、1+1ならば、そのように順番にキーを押してから=を押せば良い。
だが、ある時に僕が出会った電卓は不思議な操作方法であった。
もう今では思い出せないが・・・
と言うか、その当時でも使えなかった。
見た目はごく普通の8桁の電卓であったのだが。
もちろん、やろうと思えば出来たのだが、普通と違うので頭が混乱してしまう。
その特殊な操作をする電卓を、事もなげに使っていたのは初老の人であった。
僕は職場の備品だと思っていたが、あんがい個人の電卓であったかも?
今更、そのような操作をする電卓があったのか調べる気もないが。
当時にネットがあったならば、きっと真っ先に確かめただろうと思う。
ちなみに、僕はその15年くらい前からカシオの関数電卓を使っていた。
更に言うなら、プログラム式電卓も常用していたのである。
であるから、僕がソロバンほどに電卓音痴という事はないのだ。
今でも思う、あの不思議な電卓は何であったのだろうかと。