ナカミチのFMレシーバーの事を書いていて、思い出した。
同じくナカミチ、当時はナカミチ研究所という社名であったが・・・
カセットテープを再生するカセットデッキなる製品が、これまたもの凄く高価で発売されていた。
僕がこのカセットデッキを買ったのは、発売から少し経っていたと思う。
ナカミチ 1000Ⅱ カセットデッキ
1977年発売 310,000円
このカセットデッキは価格が高く、またデカイ大きさで圧倒される。
そもそもテープが小さいからカセットが重宝されるはずなのに、この大きさはどうかと。
しかし、直径30cmのレコードをプレーヤーで掛け直す手間を考えると。
屋内でリラックスして音楽を聴くには、カセットデッキが大きくても問題にならないと思った。
僕がこのカセットデッキを使った理由は、レコードをテープに録音して聴くためであった。
なぜ、こんなに高価な物を買ったのかと言うと、ずばり音質が良いからである。
ある時に知人の家で、下位クラスのナカミチ 700 というカセットデッキを試聴した。
そして、カセットとは思えない音質に驚き、いつかカセットデッキを買うならナカミチと思った。
それから数ヶ月後、700の上位の1000Ⅱならもっと良い音がするだろうと・・・
店で試聴をする事もなく、いきなり注文してしまった。
手元に届いた1000Ⅱは、思ったとおりに良い音質で満足していた。
ところで、700と1000Ⅱではどのくらい違いがあるのか?
僕は1000Ⅱを持って知人を訪ねて、700との聴き比べをしてみる。
すると、雲泥の差がある事が分かった。
700の音が、まるで安物のカセット音のようにしか聞こえないのだ。
何がどう違うかと言えば、700は音がうるさく感じるのだ。
この前にあれほど素晴らしいと思った700の音が、とてもチープな音に感じた。
知人はとても驚き、またかなり落胆していた・・・
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それからだいぶ経って、知人から新しいカセットデッキを買ったと連絡があった。
その後に発売されたナカミチの最新機種を買ったと言う・・・
ナカミチ 1000ZXL
1980年発売 550,000円
これは聴き比べをしなかったが、僕の1000Ⅱより良い音がしているのかな程度に感じた。
比べれば良かっただろうが、どうせ新機種の方が良に決まっていると思ったのである。
それに、もし聴き比べで大きな差を実感してしまうと・・・
もっと良いものが欲しくなったら、どうしたら良いのか。
それほど大金は持っていないし!