昨夜は息子の仕事が遅くなると言うので、たまには待っていようとゴロ寝をしていた。
浅い眠りで少しは眠ったと思うが、それにしても午前2時半を過ぎても帰らない。
ちょうど時計を見た時であった・・・・
手のひらを広げたほどの大きなクモが、壁の真ん中あたりに見えた。
あっ、これはいけない!
僕はクモが大の苦手であり、見るだけでもゾクッとしてしまう。
蛇やトカゲなど、可愛らしくてつまみ上げたりする事もあるが。
クモだけはダメなのである。
この親の姿を見て育った息子も、あたり前のようにクモ嫌い。
我が家にクモが出たら、退治する者がいない状態である。
仕方なく、ビクビクしながらホウキと殺虫剤をもって近づく。
ホウキで叩き損なったら・・・
クモはかなり動きが敏捷なので、下手をすると逃げられてしまう。
それどころか、僕の足元の方にスーと来ようものなら・・・
もう、想像しただけで気が遠くなりそうだ。
そして、退治に失敗して逃げられた。
運よく部屋から廊下に逃げたので、すぐにドアを閉めた。
やがて暫くして息子が帰って来たが・・・
なんとクモが玄関にいたから、深夜に大騒ぎ。
僕と息子は互いに相手を前に出そうと、入れ替わりを繰り返す。
意を決して、僕が再びクモ退治に挑戦してバチンとホウキで叩く。
一瞬にしてクモの姿が消えた・・・
どこに行ったのか分からないので、これが一番怖い瞬間である。
二人で背中合わせになり、グルグルと回りながら見回す。
大勢の敵に囲まれた二人の侍のように、ホウキと殺虫剤を持って。
やっと見つかった、クモは生きていると大きく見えるが・・・
死んで小さく丸まっていたので、しかも物陰に落ちていたのである。
とりあえず、これで一件落着と安心して眠る事にした。
もう午前三時をとうに過ぎていたから・・・