馬鹿とハサミは何とか・・・
ようは、使い方次第だという事だと思うが。
馬鹿はともかく、ハサミより剃刀の方が切れ味が良いかと?
いや、そうでもない。
ハサミを上手に研げば、剃刀と変わらぬ切れ味になる。
だが、いかにもハサミでは髭を剃りにくい。
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僕は大昔に、剃刀を自分で研いで使っていた事がある。
よく床屋で使う、折りたたみ式の剃刀である。
あの剃刀にも種類があり、いろいろな呼び方で区別されていた。
僕の剃刀は何と言うのか、もう忘れてしまったが・・・
外国製の人形マークの剃刀よりも、ちょっと安い物であった。
剃刀を使うには、砥石が必要である。
今のように替え刃ではないので、砥石を使って研ぐ事になる。
だから剃刀だけでなく砥石も必要で、砥石がけっこう高価なのである。
そして、「なぐら」という、砥石を撫で付ける別な砥石もなくてはならない。
人形マークの剃刀にまで手が出なかった理由は、砥石に金がかかったから。
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研ぎ方は、リズミカルに八の字を描くように軽く・・・
動作は簡単に覚えられるが、なかなか切れ味が良くならなかった。
ルーペで刃先を見ても、素人の目にはよく分からなかった。
やがて知らないうちに、それなりに切れるようになっていたと思う。
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いつの間にか、その剃刀を使わなくなり、電気剃刀になっていた。
以来なん十年か経ち、使い捨ての貝印の剃刀を使う事があった。
久しぶりに剃刀を持って緊張したのか、刃を当てただけで顔に傷を付けてしまった。
いや驚いた、なんで・・・
たしかに久しぶりではあるが、それはないだろうと?
使い捨て剃刀の柄の形が、僕には合わなかったのだろうか。
なにしろ真っ直ぐな柄であり、小指の居場所が?
でも、昔はそれでも貝印の使い捨てを使った事もあるし、納得できなかった。
だが、もう再挑戦するような気はなかった。
また失敗したら、傷だらけになってしまうし。
顔の傷が痛痒くてヒリヒリして・・・