「おでん」の話なのだが、未だにイメージと現物の味がまったく別物だ。
コーヒーもイメージと違うし、いちいち思い出さないが他にもある。
イメージと違うからと言っても、それらが不味いと思う訳ではないのだが。
ずっと、心のどこかに魚の小骨が引っ掛かっているようなふうに・・・
漫画や小説の登場人物の声は、たぶん皆それぞれ勝手なイメージで頭の中に響き渡っていると思う。
それと同じで、頭の中に食べ物の味が僕の勝手なイメージで出来上がっている。
漫画ならアニメ化して声優が決まった後は、僕も声優の声でイメージを上書きするような?
知らぬうちに登場人物の声が確定するのだが、どうも食べ物の味はそうならない。
おそ松くんに出てくるチビ太の「おでん」は、普段僕が食べている「おでん」とは違う味なのだ。
コーヒーも焦げ臭くて苦に飲み物のはずがないし、もっと別な味がイメージされている。
どうして、このようなイメージが出来上がってしまうのか分からない。
たしかに漫画の登場人物の声は、これは想像するしかない。
また、食べた事の無い物の味もやはり想像から始まる。
しかし、先に味を知ってしまった物でも別な味をイメージしていた事に気付いた。
たとえばコーヒーは、名称と味を知ったのが同時であった。
たぶんその時には、コーヒーがそのような味だと思っただろうに。
いつの間にかコーヒーの味は、まったく異なる味のイメージが出来上がってしまったようだ。
ともかく、僕のイメージでは、それらはとても美味いものになっている。
一度イメージどおりに味わってみたいが、それは絶対に叶わないのだと思う。
だが、何度か夢の中では味わえたので良かった・・・
なんともよく分からない話である。