昨日は先日の夕方に届いた小さなウッドストーブを使い、炊き込みご飯を炊いてみた。
前の記事は、
http://yuz1.blog.shinobi.jp/Entry/1783/
初めはストーブの実力が半信半疑なので、湯沸かしで試そうと思ったのだが・・・
結果はこの動画のとおり、上手くご飯を炊く事が出来た。
(下の画像をクリックすると、動画が再生される)
このストーブは10cmくらいの小さな真四角で、焚き木を上手く燃やせるのか疑っていた。
大きな焚き火なら生乾きの焚き木も燃えるが、小さな焚き火は乾ききっていないと燃えない。
小さな燃焼では燃焼の熱が焚き木を温めきれず、燃焼3要素の一つである温度を維持できなくなる。
今回のお試しでは、完全に乾ききった針葉樹を焚き木にした。
焚き木をあまり細く割らなかったが、野山で小枝を拾って使うのとは違いがある。
拾った小枝はたいがい湿り気があり、小さな焚き火なら細い枝でも割らなければ上手く燃えないと思う。
炊飯後に燃え残りを放置しておいたら、すっかり燃え尽きて灰になって風で飛ばされていた。
右の写真は裏返しにしたところだが、4辺と底板がピッタリしていて変形はしなかったようである。
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このストーブでご飯炊きをして便利だと思ったのは、横の口から焚き木が出し入れ出来る事だ。
ただの煮物ならばあまり火加減は気にしなくても良いが、炊飯は火加減が必要になる。
ちょうど20分間くらいで鍋の水が無くなって、底がきつね色に焦げるような火加減。
途中で細かく火力を変えなくとも中火程度なら炊けるが、焚き火で中火を維持するのは難しい。
やはり、初めに炎で煮立たせてから、その後は熾き火で煮るのが良さそうだ。
その時に焚き木をストーブの横の口から出し入れ出来ると、それはもう火加減が簡単に出来る。
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トランギア・アルコールバーナーのゴトクとして使う場合について。
このストーブは上の口からトランギアを入れる事が出来るが、横の口からは入れられない。
火力調節のシマーリングも上からなら入れられるので、消火と火力調節が可能ではある。
しかし消火はともかく、火力調節時にシマーリングを適当な開度で上から落とすのは難しい。
そこでバーゴのストーブでよく見かけるような、横の扉を開いて使うように考えてみた。
このストーブの側板は4枚がヒンジ連結で、底板を囲んで側板の両端を引っ掛けて組み立てる。
したがって最後に側板を引っ掛けずにおけば、焚口(角穴)のある側板の開閉が自由になる。
だが、そのまま側板を引っ掛けずに使うには問題がある。
底板は側板にはめ込み式なので、側板を固定しないとストーブの形が歪み底板が外れてしまう。
ふと思いつきで、側板から飛び出している底板をペーパークリップで挟んで止めてみた。
簡単で良いと思ったが、側板が少し広がり掛かっただけでクリップが外れて効果は無かった。
あまり手間を掛けたくなかったが、今度は底板に小穴を開けて安全ピンで止める事にした。
側板から飛び出す底板の部分に左右2箇所、2mm径の穴を開けた。
なぜ2mm径かというと、この穴開け作業中に1.5mm径のキリを折ってしまったからである。
穴は安全ピンが通る大きさなら適当に開ければ良いので、初めは1.5mmで穴開けを始めた。
ステンレスの底板に小さな穴を開けるのに、硬いのは承知だがこんなに苦労するとは思わなかった。
ボール盤を売り飛ばしてしまったので、電気のハンドドリルで細いキリを扱うのは難しかった。
写真は、小穴を開ける位置にポンチ打ちをした場面で、この後にドリルを使う。
写真の右下に安全ピンが見える、反対側もおなじく安全ピンで止めてある。
ストーブを揺すれば多少のゆがみは生じるが、底板が外れる事は無くなった。
ここで安全ピンを使った理由は、紛失防止のためだ。
このような小さな物は失くしやすいので、安全ピンならば収納袋に留めておく事が出来る。
針金クリップでも使えるが、無造作に収納袋に放り込めばたぶん失くすだろうから。
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このストーブとほとんど変わらない物を、ネット上で幾つか見かけている。
エンバーリットのように各板がバラバラになる物と、これのようにヒンジで連結の物。
丁寧な作りの物はヒンジの中棒がEリングを使い、抜け止を施してある。
今回のストーブにEリング止めはないので、不都合ならヒンジの上下ををペンチで潰せば良い。
それにしても、だいぶ前から目にしていたストーブだが、これまでは買う気が無かった。
今回は値段が送料込みで1,310円と安かったからで、そうでなければ買わなかっただろう。
こんな小さなウッドストーブ、アルコールストーブのゴトクくらいにしか使えないと思っていた。
しかし実際に使ってみると炊飯が出来るし、大いに見直したところである。
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エスビットと比べてどうか?
このストーブの一辺はエスビットの長辺とほぼ同じ長さなので、収納サイズはそれだけ大きくなる。
本体厚さはエスビットの半分以下だが、付属のアルコール皿を重ねるとエスビット同じ厚さになる。
このようにサイズ比較では、エスビットの方がコンパクトである事に間違いは無い。
もしも純正の固形燃料専用で使うならば、エスビットが良い事になる。
だが純正以外の宴会鍋用などの燃料は本体収納が出来ないので、別持ちになり荷物が増えて嵩張る。
しかもトランギアは使えない、焚き木も上手く燃やせないとなれば用途がかなり狭い。
このウッドストーブはアルコール皿を薄板で自作すれば収納厚さはエスビットの半分以下になる。
全体の大きさはエスビットより2.5cm幅広の真四角になるが、トランギア、固形燃料、焚き木と用途が広い。
アルコール皿の自作さえすれば、エスビットよりもグッと高い評価が出来ると思う。
なお、本体重量はエスビットが85g、ウッドストーブが157gで約二倍弱ほどになるようだ。