胃全摘した母が好きな、ケチャップで味付けする酢豚。
ポイントは、具材を炒めてから十分に煮込むこと。
合わなくなった入れ歯で、しかも胃全摘後となると普通のシャキシャキした野菜の食感は無理である。
何もかも柔らかくしなければならないという、作る上での工夫が必要だ。
酢豚なので豚肉を使うが、コマ切れ肉とか切り落とし肉を使う。
鶏肉はパサつくので、また味も落ちるので使わない。
まず、酢豚を作る何日も前から豚肉をショウガ醤油に漬け込んでおく。
ショウガ焼き用の薄い肉でも構わないが、小さく切る事になるのでコマ切れが良いだろう。
豚肉を漬け込む時間はだいたい4日以上で、その頃には肉がだいぶ柔らかくなる。
特に酢豚用としなくても、普段から豚肉のショウガ醤油漬けを冷蔵庫に作っておくと重宝する。
そのまま生姜焼きとして食べても良いし、野菜炒めなど何にでも使える。
ショウガ醤油漬けの豚肉に片栗粉をまぶし、1つずつ丸めるようにして塊にする。
フライパンで少量の油を使って火加減しながら、豚肉の唐揚げを作る。
元が薄い肉なので火の通りが早く、裏表が濃いキツネ色になれば皿に移す。
具材の野菜は玉ねぎ、ニンジン、ピーマン、生シイタケ。
豚肉を揚げ終わったフライパンに野菜を入れて中火で炒め、ケチャップと水で柔らかくなるまで煮込む。
8割がた柔らかくなれば、豚肉の唐揚げを入れて煮込み続ける。
煮詰まってきたら味見をして、砂糖を足したり好みの味に調整する。
味と煮詰まり具合によって、ゆるければ水溶き片栗粉でトロミを加減する。
トロミも好みで、水溶き片栗粉を使わなくても良い。
仕上げにゴマ油を垂らして混ぜ、皿に盛れば出来上がり。
*ニンジンは予めレンジで柔らかくすると短時間で出来る。
*干しシイタケは旨味があっても硬いので、生シイタケを使っている。