もう二十年くらい昔の話だが、電気炊飯器の使い方が変わって来た事を知った。
僕が幼い頃の当時から我が家では、電気釜と呼んでいた電気式炊飯器を使っていた。
一番古い記憶では、羽釜をガス火にかけて炊飯している光景が目に浮かぶ。
ネットで調べると、1955年ごろに電気炊飯器が初めて発売されたとか。
新しい物に飛びつく癖がある僕の父が、きっとすぐに電気炊飯器を買ったのだと思う。
この炊飯器は内外の釜の間に水を入れて炊く方式で、焦げがほとんど出来なかった。
そのせいか、僕はご飯の焦げに馴染めなくて、今でも焦げ飯を嫌っている。
さて、あまりにも古くて僕が幼かった事もあり記憶が曖昧であるが。
翌朝の炊飯のために、前の晩に米を研ぎ洗いして中釜で水加減をして朝まで水に浸していたはず。
そして朝になると母が台所で、電気炊飯器=電気釜のスイッチを押して炊飯を始める。
暫くすると、ブクブクと音を立てて蒸気が立ち昇り、米が煮え始める。
どのくらい時間が経ったのか覚えていないが、バチッと大きな音がしてスイッチが切れる。
電気釜のスイッチが切れても炊飯完了ではなく、蒸らしとして20分間くらい待たなければならない。
ただ、そのような炊飯方法は電気釜に特有ではなく、羽根釜でも同じであったらしい。
米を研ぎ洗いして数十分間ほど水に浸した後に炊き始め、炊き終わってからは蒸らしをすること。
現代でもこの方法だと思っていたのだが、炊飯器の進歩により様変わりしていた。
まず、炊く前の米を水に浸しておかなくて良い事である。
そして、蒸らしと称する炊き上がり後の待機時間が無くなった。
つまり、炊飯時間がぐっと短くなったという事である。
我が家が洗米後に一晩も浸けていたのはやり過ぎだが、30分間くらいで良いらしい。
それに蒸らしの20分間を合わせると、合計で50分間ほどが短縮された事になる。
これはスゴイ事だと・・・
しかも、早炊きモードならもっと短時間で炊けるのだ。
二合くらいなら、25分間ほどで炊き上がってすぐに食べることが出来る。
早炊きが、いつ頃から出来るようになったのか知らないが・・・
まったく意識しないで早炊きモードで炊飯をした事があり、しかしちっとも早くなかった。
だから早炊きなどと言っても、なんだこりゃと思っていたのだ。
そしたら、どうも早炊きの使い方を間違えていたと言うか。
早炊きは少ない量の炊飯でなければ、思ったほど時間は短縮されないと気付いた。
それからは毎度、炊飯を始めると同時に味噌汁を作り始めてちょうど間に合うようになった。
早炊きに気付かなかった頃は、朝になってから米研ぎから炊飯を始めるなど出来ない事だと思っていた。
それが今では、前の晩に支度が出来なかったとしても、朝からでも間に合うとは。
とても便利で、たいそう楽になったと感じている。