我が家には正月の七草粥の習慣がないので、ニュースやスーパーの野菜売り場で思い出す。
今年も七草が袋入りでスーパーの売り場に並んでおり、500円以上の値段をみて驚く。
間引きしたようなカブや大根、他には雑草が・・・
たしかペンペン草も七草に入っていると知識があるが、そうでなくても貧相な草ばかりである。
母が七草粥を作った事は一度もないが、自分の母も七草粥を作らなかったそうだ。
また母の生まれた近所でも、七草粥をする家が無かったような話を聞いている。
よく考えると昔は貧しい食事の毎日で、正月に七草粥を食べる気持ちがなかったかも知れない。
普段よりいっそう粗末で雑草混じりの粥なんてと嫌だと、誰もが思ったのではないだろうか。
中途半端な山村では猪など動物もおらず、せいぜい池や川の小魚がご馳走だったのだろう。
鶏が卵を産むのを待っているような暮らし、とても想像できない。
食べられるのが幸せならば、今はかなり幸せな時代である。
極端な怠け者でなければ、旨い物を食べる事ができるのだから。