25年位前の事なので、西暦1990年あたりだろうか・・・
午後8時少し前に、自宅から20Kmほど離れた所を自動車で走っていた。
自動車の燃料計を見ると、ガソリンが残り少ないと分かった。
家に帰るには十分なガソリン残量であるが、明日の通勤の事を考えると困ると思った。
明日の朝は早くに家を出る事になるが、その時刻午前7時ごろはスタンドが開店していない。
7時半には職場に着かなければならず、スタンドが開かなければ途中での給油も出来そうにない。
たぶん朝の通勤分にギリギリのガソリン残量だと思うので、今夜のうちに給油しておかなければならない。
しかし時刻は午後8時少し前で、スタンドの閉店時刻に間に合いそうもなく困った事になった。
自宅から20km離れていても知り合いのスタンドが近くにあったので、とりあえず急いで向かってみた。
その当時は携帯電話はまだ無かったので、行くしかなかったのである。
あんのじょう、スタンドは閉店していたので、すぐ近くにある経営者である知り合いの自宅を訪ねた。
事情を話したところ、さっそく給油をしてくれて一安心した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ホッとしてスタンドを後に、まっすぐ帰宅する事にして走り出した。
無事に家に着いて、自動車から降りた時にガソリン臭を強く感じた。
給油口は助手席側の後方にあったので、ぐるりと廻って様子を見て驚いた。
なんと給油口のフタが無いのである、しかもカバーも開いたまま。
そういえば、スタンドのあいつ・・・
少し酒に酔っているとか言っていたなぁ、それでフタを忘れたのだろう。
すぐに家から電話して状況を説明して、スタンド内を探してもらった。
30分間ほどして、フタが見つからなかったと連絡があった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕は給油口のフタが無い事に気付いてすぐに、タオルをビニール袋でくるんでフタ代わりにした。
パッと見は、火炎ビンのような感じになるが、給油口のカバーを閉めれば見かけだけは大丈夫。
それからどうしたのか、ほとんど覚えていない。
たぶん、翌日中に部品販売会社に連絡して、フタを調達したと思う。
それにしても、20kmも走っていて何事も無く済んで良かった。
下手をすると、本当の意味で火の車になっていた事だろう。