前回の記事では、エスビットでトランギアを使う自作ゴトクの説明を書いた。
また、その前には
燃焼テストの結果を書いている。
今日は、改造した自作ゴトクの燃焼テストを行った。
自作ゴトクを改造した理由は、やはり燃焼テストの結果に不満があるからだ。
それに、何度かテストと改造を繰り返して、納得のいくゴトクを作るつもりであるし。
トランギアの専用ゴトクと比べて、自作ゴトクはそこそこの性能ではあるが。
なんといっても、屋外で煮えくり返るような沸騰が出来なかった事が大きな不満である。
もちろん、風防で囲い込めば強い沸騰が出来たかも知れないのだが・・・
今の目標は、風防を使わずにガンガンと沸騰する事である。
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改造は、ゴトク上部の四角い桟組みの格子を、十文字組みに変更した。
四角い格子では、気化した燃料のエスビット本体の長手方向にしか流れなかった。
しかも、細い缶飲料を載せる桟の凹が浅いので、気化した燃料の流れが悪い。
そこで、ゴトク自体のステンレス板に凹を切って、エスビット本体の短方向に流れを作るとか。
幾つかの案が考えられたが、まずは格子の形状を変更する事にした。
格子の形状を変更する一番の理由は、ゴトク自体を切ってしまうと後々に作り直ししなければならない時に、手間が掛かるからである。
そしてもう一つの理由は、トランギア火口と鍋底の間隔を変化させたかったからである。
現状はトランギア火口と鍋底の間隔は19mmあるものの、桟の下部が5mmまで迫っている。
見た目では火口がかなり狭く囲まれたような状態で、これも燃焼に悪影響がありそうだ。
火口と桟の間隔を広げ、さらに鍋底との間隔も広げる。
そして長手・短手の4方向を開放する形として、十文字格子に変更する事にした。
十文字格子ならば、缶飲料や小さなサイズの鍋でも載せる事が可能になる。
また、初めの四角格子の時と同様に、火力調節フタも使用する出来る。
ただし、火力調整フタの取りつけは、これまでどおり一旦格子の桟を外さなければならない。
燃焼の様子はこのとおり、けっこう綺麗な形で炎が鍋を包んでいる。
上の写真の燃焼テストは、室温21.4℃、水温19℃。
沸騰までの時間は5分40秒で、四角格子の時の半分くらいの時間である。
作業中のテストであったため、燃料消費は測定していないが大量に消費した様子はなかった。
追記:19:00
燃料消費を計るために、二回目の室内燃焼テストをした。
着火後15秒ほど経過してから、鍋を載せて湯沸かしをした結果は沸騰までに5分40秒。
燃料消費量は10gで、トランギア専用ゴトクを使用した時と同じ消費量である。
したがって、いわゆる燃費が悪いという事はない。
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室内のテストが良い結果になったので、続いて屋外で燃焼テストを行った。
前回の屋外テストのデータは、気温15.6℃、水温10℃で燃焼を始めている。
今日のデータは、気温19℃、水温14℃である。
前回はかなり風が強かったが、今日はさらに強風であったためテストをするか迷った。
しかし、今日の気温が前回よりも3℃以上、水温も4℃高いので試す気になった。
テスト時は風がうなって、時おりパラパラと大粒の雨が降ったりしていた。
木陰なので雨の影響はなかったが、風がつよくて鍋が飛ばされそうな勢いであった。
このような状況で、湯沸かしが出来るのか、それよりトランギアは燃えるのかと思った。
トランギアの中に着火マン式ライターで炎を近づけるも、アルコール燃料に引火しない。
ライターの炎さえあれば簡単だと思っていたのだが、そうでもないようだ。
しばらくして着火して、炎を上げて燃え出した。
燃焼中は風のうなりと、トランギアの炎が風に煽られる燃焼音がボウーボウーと。
数分間して鍋の中を見ると、小さな泡粒が鍋肌に付いている。
前回の四角格子のテスト時は、もっと時間が経過してからの現象である。
これは案外といけるかなと思って、そのままテストを続けたところ沸騰した。
しかも、かなり強く煮えくり返る沸騰である。
この強風で、これだけ強く沸騰するとは思わなかった。
風に煽られ飛ばされるので燃料消費はかなり激しいが、燃焼については満足した。
燃料はけっこう多めに入れたのだが、この後で3分間ほど経過して燃料切れで消火した。
燃料を多く使おうが、なんでも良いから強風で沸騰させたかった。
ガソリンの123Rも試そうと思ったが、炎が飛ばされて使い物にならないと思いやめた。
Yahooの天気予報でテスト時の風速を見ると、南西7mとなっている。
今は更に風が強まっているが、10m以上の風が吹いているのではないだろうか。
トランギアなどのアルコールストーブは、火が着いてしまえば強風でも消えない。
そのあたりを考えて使えば、ガスやガソリンよりも頼もしいと実感した。
湯沸かしに時間が掛かろうが、着火さえ出来ればこっちのものか・・・