胃全摘した母がカツ丼を食べたいと言うので、今日の昼食はカツ丼を作った。
今92歳の母は、85歳の時に胃全摘の手術をして胃を失くした。
それ以来、一回の食事量は健常時の半分ほどを食べるのがせいぜいである。
しかも入れ歯の具合も悪いようで、硬いもの避けなければならない。
そのような者が、カツ丼を食べられるのか?
いろいろ工夫して、柔らかいカツ丼を作り始めて数年が経つ。
何度か硬い肉質の豚カツで失敗したが、ほぼいつも上手くカツ丼が出来る。
入れ歯の不具合で上手く噛めない、これが一番困る事である。
そこで、豚カツを超薄切りにする事にした。
我が家の近所のでは、どこのスーパーでも豚カツは肉厚である。
分厚い豚カツは、あんがい薄切りに向いている。
普通は指1本半くらいの幅で豚カツを切るが、それを2mm幅くらいに薄く切るのだ。
使う豚カツはロース豚カツで、脂身が多い方が母の好みだ。
揚げたての豚カツは狭幅に切りにくいので、完全に冷たくなってから切る。
買ってきた豚カツを冷蔵庫で一晩冷やして、コロモがしっとりした状態にするのだ。
コロモがサクサクしていると、コロモが肉から剥がれてしまい上手く切れない。
ネギはタマネギを使うが、濃い味の出汁でタマネギが透き通るまで柔らかく煮る。
タマネギが煮えたら豚カツをタマネギの上に並べて、20秒くらい煮る。
溶き卵をサーッとかけて、蓋をして10秒位で火から降ろして余熱で卵が固まるのを待つ。
大きめの飯碗に白米飯を120g、その上に煮上がった豚カツを乗せれば出来上がり。
ご飯もかなり柔らかく炊いてあり、入れ歯を使わなくても食べられる。
今日はカツ丼に、今朝作ったなめこ味噌汁を合わせた。
味噌汁は汁椀に半分以下、胃が無いので一度に多くを食べる事は難しい。
使った豚カツは、普通の一切れの半分くらいである。
とりあえず見かけだけは、普通のカツ丼に近い形だ。
ただ豚カツの量が少なすぎる思うのだが、母はもともと食が細いのである。
これで十分に満足できるらしいから、それで良いだろう。
食後1時間もすれば、何かオヤツを食べるので心配はない。
胃が無いので一度に腹の中に留められず、食事量は半分で倍の回数で食事をする事になる。
ただ、毎度それが食事だと思うと嫌になるので、オヤツという形で食べている。