片道1車線の田舎の道路、交差点で右折するため右折レーンの先頭で信号待ちした。
その時に向こう側の直進の停止線に、一台の車がハザードを点滅させて停車している。
事故でも起こしたのかと思ったが、特に変わった所はないようであった。
それから左の方に視線を移すと、道路の反対側の縁石の上に立って桜の写真を撮っている女が見えた。
この道路沿いには桜がたくさん花を咲かせていて、運転者に駄々をこねて写真を撮る事にしたのかな。
それにしても、まったくの私用で交差点の停止線に停車するとは・・・
この後で、プチ修羅場が起きた。
交差した道路から右折してしてきたトラックがギューンと回って、ふらついた女が・・・
と、いったような事はなかったのだが。
たしかにトラックは右折して、たいそう迷惑そうに走ってはいたようだ。
やがて信号が変わる頃になって、慌てて横断歩道を小走りに車の方へ戻っていった。
そして、停止線に停車している車のドアを開けた。
これがプチ修羅場というか・・・
無意識に開けたドアの車は、その女の乗っていた車ではなかった。
さすがに運転者も非常識に気が引けたのだろう、女が写真を撮っている間に後方に移動していたのだ。
だから、交差点の停止線の所に停車している車は入れ替わっていた。
女は慌てていたから、何しろ一番前の車が自分が乗ってきた車だとしか見えないのだろう。
だけどねぇ、女が乗ってきた車は白っい明るい色だったのに。
間違えてドアを開けた車は黒っぽい色で、国産の小さなメーカーの独特なスタイル。
いくら慌てたにしても、それは無いんじゃないかと思うほど大違い。
横断歩道を走って目の前を通り過ぎた女に、いきなり助手席ドアを開けられた人は驚いたろうなぁ。