「いかめし」を初めて食べたのは、小学生の時の給食だった。
僕が小中学生の頃の給食はパンが主食で、米飯は一度も出ることがなかった。
そのなかで一度だけ米粒を使った給食が「いかめし」で、とても旨いと思った。
小中学生時代の九年間で、ただ一度の米飯が「いかめし」であった。
当時、格別にイカが高価であったとは聞いていない。
我が家では頻繁ではないが、イカを輪切りにした煮物が食卓に並んでいた。
特に好き嫌いの感覚をイカに対して持ってはいなかったが、我が家のイカ煮物は旨くなかった。
輪切りになったイカは、まるでゴムパッキンのように固くて臭みがある。
だから、あまり食べたくなかった。
そのイカが「いかめし」として給食で出されると、その旨さに驚いた。
こんなに旨い食べ物が、いや、食べ方があったのかと。
ところで、近頃のニュースではイカが不漁だと言う。
「いかめし」は駅弁として有名らしいが、かなり値上げをするとの事である。
僕はまだ「いかめし」の駅弁を食べた事はないが、今のうちに食べてみたいと思った。
東京駅で売っているのかな・・・
東京まで一時間ほど要するので、さすがに「いかめし」だけを求めて行く事はないだろう。
近所のスーパーで、週末に駅弁が並ぶのではないかと期待して。