昨日は母から、布団がわ縫い目のほつれを直すよう頼まれた。
あいかわらず縫い物は億劫なのだが、珍しくすぐに直しをする事にした。
それにしても、けっこうな長さを縫わなくてはならず閉口する。
接着剤で貼り合わせてしまおうかと思ったのだが、あいにく買い置きが無い。
しかたなく、縫い目が表になっても良いとして縫い始めた。
まぁ、見た目は悪いがなんとか縫い合わせが終わりグッタリする。
指ぬきを裁縫箱に戻そうと、ふと普段は開けた事のない裁縫箱の小引き出しを引いた。
引き出しの中には、錆びた握りハサミとボタンなど小物が入っている。
他にも何やらあったが、そこに知恵の輪が一まとめに組み合わされて入っていた。
昔からある単純な知恵の輪だが、三種類の物が絡み合っている。
僕は知恵の輪とかパズルが大の苦手で、この知恵の輪を買った覚えがない。
きっと、二人の姉のどちらかの持ち物だろうと思った。
近頃は複雑な知恵の輪があるそうで、前にYouTubeで見た事がある。
それを思い出してか、この簡単な知恵の輪に挑戦しようと意欲が湧いて来た。
たしか交差部分を捻るようにすると外れるはずだと、子供の頃の事を思い出す。
15分間ほどして、やっと一つが外れてチャリンと床に落ちた。
突然の事であったので、外した手順や交差部分の方向とか分からなかった。
まったく偶然に外れたと言っても良いような、何の手掛かりも残らない外れ方である。
それから1時間くらい経ち、なんとか全部を外す事が出来た。
しかし鈍感な僕には、知恵の輪はずしのパターンのような事はなんら身に着かなかった。
やはり僕には先天的にそのたぐいの能力が低いのだろうと、今さらに思った。